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令和5年度施政方針 新しい可能性を育て「笑顔あふれるまち」へ

 本日、ここに、令和5年度予算案及び関連議案を提出し、ご審議いただくにあたり、市政運営に対する基本方針並びに主要事業についてご説明申し上げ、市民の皆さまと市民の代表たる加茂市議会議員の皆さまのご理解とご支援を賜りたいと存じます。

1 基本方針

 はじめに、令和4年度を振り返ります。

 令和4年度予算は、「加茂市総合計画」を策定後に編成した最初の予算でした。6つの基本目標を実現するための施策を分類し、それらを推進する事業を展開しました。

 令和4年10月には、総合計画に沿った事業を着実に推進するため、最高戦略責任者、CSOを採用しました。民間企業で培われた能力や経験を活かし、既に様々な変革をもたらしています。

 令和4年度は、令和2年度から進めている行財政健全化推進計画の最後の年でした。事業の見直し、ふるさと納税の寄附金額の増加や市税等の収納率の向上などにより、目標である財政調整基金残高3億円を1年前倒しで達成し、令和4年度末には、目標額を大幅に上回り、基金残高は約10億7000万円となる見込みです。これは、行財政健全化について、ご理解くださった皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます。

 しかしながら、公共施設の老朽化などにより、今後の財政状況は楽観視できるものではありません。新しい時代に対応するため、常に事業や施設のスクラップアンドビルド、予算の選択と集中を行っていく必要があると考えています。

 また、令和4年11月には「加茂市立小中学校適正規模等検討委員会」より、市内の小中学校における適正規模・適正配置の在り方について答申をいただきました。この答申や市民アンケートを踏まえ、「加茂市立小中学校適正化方針」の策定準備を進めているところです。その策定する方針にもとづき、持続可能な教育環境の整備を進めます。

 次に、令和5年度の予算編成についてです。予算を編成するにあたり、重点実施事項として三つの柱を立てました。

 一つ目の重点実施事項は、「未来を担う子どもたちのため」の取組です。

 少子化が進み、人口が減少しています。令和4年の加茂市における出生数は94人で、20年前と比べて半数以下になっています。

 加茂市の未来を担う大切な子どもたちのために、子育て支援・教育を充実させていく事業、制度づくりに力を入れていきます。また、障がいがあったり、学校生活に困難さを抱えていたりする子どもたちを誰一人取り残さないよう取り組んでいきます。子育てする保護者へのサポートや預かりなどの保育環境の充実に取り組むとともに、関連施設についても、母子健康センターを含む施設の複合化や保育園の見直し、小中学校の適正な規模での運営や、新築や複合化を含めた施設整備の検討など、次の世代に課題を先送りせず、未来のためのより良い環境づくりを進めていきます。

 二つ目の重点実施事項は、「誰もが便利で快適に暮らせるまちのため」の取組です。

 加茂市が抱える課題解決や、増え続ける行政ニーズに対応するため、IT技術の活用、デジタル化を推進します。DX(デジタルトランスフォーメーション)の前にしっかりとデジタル化に取り組みます。利便性や効率化などに目がいきがちになりますが、地理的な制約、年齢、障がいの有無にかかわらず、「デジタル化の恩恵」を誰一人取り残されることなく受けられるよう進めていきます。

 快適に暮らせるまちづくりに取り組むとともに、まちの魅力を市外に向けて発信し、交流人口の増加、移住・定住の促進を図ります。

 三つ目の重点実施事項は、「行財政の健全かつ持続可能な運営のため」の取組です。

 減少する人口規模に見合った、持続可能なまちにする必要があるため、公共施設の見直しを強力に推進します。また、総合計画、予算、人員管理を連動させ、持続可能な行政運営に取り組みます。

 環境基本計画のような、他の市町村では既に整備されており、加茂市では未整備で、かつ、これからの事業推進のために重要な計画の策定を進めます。

 また、他市の先進的な取組を参考に、全ての人が尊厳をもって多様性を受け入れて生活できるように、関連した制度を導入します。

 市民の皆さまが安全に安心して暮らせるよう、防災対策や道路をはじめとする社会基盤の整備にも引き続き力を入れて取り組みます。

SDGs、GX(グリーントランスフォーメーション)、空き家問題、企業誘致など、多様化する課題を解決するため、国の人材支援制度を活用して、外部人材や副業人材を活用した取組を推進します。

 この三つの柱を重点に、総合計画を着実に実行し、これまでまいた種、芽生えた可能性を大切に育て、「笑顔あふれるまち 加茂」の実現を目指します。

 令和5年度からは、少しでも早く、新しい加茂市の姿を目に見える形で市民の皆さまにお見せできるよう、母子健康センターの機能を含む複合施設、ごみ処理施設の建設に向けて動き始めます。

2 当初予算の概要

 それでは、令和5年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。

 令和5年度一般会計予算の総額は、122億8900万円、前年度に比較して5億7300万円、4.5%の減となりました。

 主要な財政指標については、実質公債費比率は9.4%で0.1%の増、将来負担比率は116.3%で2.4%の減、市債残高は令和4年度決算見込みと比較して3億円減少し、97億円と見込んでいます。

 財政調整基金の残高は、令和4年度末が10億7000万円、令和5年度末には11億3000万円となる見込みです。

 これらの指標を注視し、健全な財政運営を行ってまいります。

 一般会計と、6つの特別会計の合計額は、205億1389万円で、前年度に比較し7億6872万円、3.6%の減となりました。

 その中で、国民健康保険特別会計では、令和4年度末に国民健康保険財政調整基金の残高が4億49万5572円となる見込みです。この財源を活用して、令和5年度の国民健康保険税を前年度より平均で17.2%引き下げ、加入者全ての方の負担を軽減します。

3 具体的施策

 次に、令和5年度の主な施策を申し上げます。

基本目標1 子育て・教育

未来を担う子どもたちが夢と希望にあふれ育つまち

1 子育て支援

 妊娠・出産から、育児をしていく過程において、子どもが健やかに育ち、またその家族も安心して育児ができるよう、現在行っているサービスや助成を継続するとともに、多様化する子育てへのニーズに対応できる体制を整えます。

 子育て支援センター乳幼児あそびの広場において、会員登録された保護者の相互援助活動による、急な預かりや家事支援などを行う「ファミリー・サポート・センター」の設置に向け準備を進めます。また、仕事や家事、育児などで多忙な保護者の負担軽減のため、家庭での保育が一時的に困難となった子どもを、日中から夜間まで、休日でも保育所等で対応できる体制づくりに努めます。

 令和7年度から始まる「第3期加茂市子ども・子育て支援事業計画」策定のため、多様化する子ども・子育て支援、保育に必要とされる支援に関する調査を実施します。その調査結果にもとづき、「加茂市こども未来会議」において、行政以外の有識者からの幅広い意見を伺い、地域の子どもや子育て家庭の実情に応じた支援施策が展開できるよう審議します。

 公立保育園については、保育業務のICT化を推進するため、保育業務支援システムを導入します。保護者との連絡や情報共有をリアルタイムにできるようにするとともに、保育管理や園児バス等の業務改善を図り、保育サービスの質の向上に努めます。

 母子保健分野では、子どもの聴覚障害を早期に発見し、早期療育につなげるため、新生児聴覚検査の検査費用の助成を行います。また、3歳児健診の際の視力検査に加えて屈折検査を導入し、弱視の早期発見、治療につなげます。

 老朽化した母子健康センターの機能を含む、子育て拠点交流施設整備構想として、子育て施設をはじめとした複合施設の建設に向けた調査・検討を進めます。

2 結婚・妊娠・出産

 誰もが安心して出産・子育てできるよう、妊娠期から出産・子育てまで一貫して相談に応じる伴走型相談支援の充実を図ります。併せて、出産育児関連用品の購入費に対する助成として、出産・子育て応援給付金を一体的に実施します。

 不妊治療中の夫婦に対して、経済的、精神的負担を軽減するため、不妊治療への助成を引き続き行います。保険適用の有無にかかわらず、不妊の検査及び治療の医療費について、年齢、回数の制限なく、夫婦それぞれ年間50万円までの助成に拡充します。

 また、不育症検査や不育治療中の夫婦に対して、検査及び治療にかかる医療費について、20万円までの助成を新たに行います。

 妊産婦が心を健やかに保ち、安心して出産・育児ができるよう、通院せずに医療機関の健康相談を無料で受けることができる、妊産婦メンタルヘルスオンライン健康相談を引き続き行います。さらに、父親へのメンタルヘルスオンライン健康相談も行い、夫婦それぞれのうつ病等の重症化予防に努めます。また、産科医療機関や助産院への宿泊又は通所による産後ケアを引き続き無料で行うとともに、産後1か月の産婦の健診費用の助成を始めます。

3 学校教育

 令和4年度、子どもに関する教育相談にきめ細かく対応するため、公認心理師を配置するなど相談体制を強化し、教育支援センター「やすらぎ」を開設しました。

 今後も、同センター機能の更なる充実に努め、不登校や困り感を抱える児童生徒のサポートに加え、小学校就学前から入学、進学、卒業後のフォローまで、切れ目のない支援を継続していきます。

 市内の全小中学校に統合型校務支援システムを整備し、学校における各種業務の効率化や保護者との連携強化を図ります。教職員がゆとりをもって子どもと関われる環境を整え、更なる学校教育の質の向上を図ります。

ICT機器を利用した授業を支援できる指導主事が学校を巡回し、教育活動、学習指導、生徒指導等について指導助言を行うことで教職員を支援します。

 中学校の部活動について、国の方針にもとづき、令和5年度から段階的かつ加茂市の実情に応じて、土日の活動を地域活動に移行する取組を推進します。生徒が自分の好みや適性に合った活動に触れる機会の創出に努めます。

 令和5年度は、指導体制が整う一部の競技を試験的に移行し、次年度以降の他競技への普及の足掛かりとします。

4 学校施設

 令和4年度から進めている石川小学校の耐震補強工事は夏頃に完成する予定です。その後、子どもたちは仮設校舎から本校舎に戻り、安全・安心な環境で学ぶことができるようになります。

 「加茂市立小中学校適正規模等検討委員会」において、将来を見据えた望ましい教育環境や適正な学校規模、再配置のあり方についての議論を重ね、令和4年11月に答申を取りまとめました。

 また、令和5年1月には「加茂市立小中学校の適正規模等に関する市民アンケート」を実施し、多くの方々から貴重なご意見をいただきました。

 これら、検討委員会からの答申とアンケートの分析結果を踏まえ、適正な学校規模を実現するための「加茂市立小中学校適正化方針」を策定し、質の高い教育を受けることができる環境の整備を推進していきます。

基本目標2 健康・福祉

ともに支えあい、だれもが安心して健やかに暮らせるまち

1 健康・医療

 加茂市では、年齢を追うごとに糖尿病やその予備軍、脂質異常症などの割合が高くなっています。そこで、望ましい生活習慣を身に付けられるよう、糖尿病等生活習慣病とメタボリックシンドロームの予防に重点を置いて、関係機関と協力して特定保健指導等の各種事業を推進します。

 令和4年度に引き続き、民間、大学等の関係機関と連携し「健康増進プロジェクト」を展開します。具体的には、ウォーキングを中心とした健康増進事業や介護予防のための講演会等を行い、幅広い世代の健康増進、生活習慣病予防や、健康寿命の延伸を推進します。

 また、これらの各種健康事業に参加した方や、特定健診、がん検診を受診した方に健康ポイントを付与することで、市民の健康増進を図ります。

 がん患者の治療と社会参加等の両立を支援するため、がん治療による外見の変化を補完するウィッグなどの補整具を購入するがん患者に対して、上限2万円を補助します。

 ひきこもりの状態にある方やその家族のため、相談支援体制を整備します。さらに、ひきこもりに関して理解を深めてもらうため、各種啓発事業を行います。

2 障がい者・障がい児福祉

 障がい者施策については、「加茂市自立支援協議会」において、障がい福祉施策等の評価や改善策の検討を継続的に行います。

 障がい者の日常生活等について、田上町や障がい福祉事業者と共同で、緊急時の受入や対応などの支援体制整備を推進します。また、就労支援事業所などの民間事業所の誘致を積極的に行います。

 民間の法人に委託している相談支援事業について、障がい福祉サービス利用の有無にかかわらず、障がいのある方や家族が気軽に相談できるよう、引き続き相談支援体制の充実を図ります。

 障がい児支援については、自立支援協議会の中に「こども支援部会」を設置し、教育支援センターなどの教育機関や子育て支援機関、障がい児通所支援事業所などの民間事業所が連携を強化し、相談支援体制の充実を図ります。

 障がいのある方もない方も、お互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する地域の実現を目指し、基本条例の制定の準備を進めます。

3 高齢者福祉

 市民の皆さまが住み慣れたまちで安心して生活できるよう、引き続き、加茂・田上地域の医療・介護関係者が連携し、在宅医療と介護が一体的に提供できる体制を維持します。
 また、市役所関係部署が連携して高齢者施策を一体的に進めるため、令和5年3月に長寿あんしん課を第二平成園から、加茂市役所1階に移転し、健康福祉課で行っていた高齢者に関する業務を再編します。名称も令和5年4月から「長寿あんしん課」へ変更する予定です。

 高齢者や障がい者の介護施策については、民間事業所の新規参入を促進し、さらに、地域包括支援センターの機能充実を図るため、人員の拡充を行います。地域包括支援センターを中心に、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供し、フレイル対策から看取りまで切れ目のないサポートを行います。

 また、認知症に関する知識の普及啓発や相談体制の充実を図り、認知症の方と家族を支援します。

 急速な高齢化の進行に伴い、認知症の高齢者の大幅な増加が見込まれています。認知症の方が尊厳を保ちながら幸せに暮らしていける地域を実現するため、基本条例の制定の準備を進めます。

基本目標3 生活・環境、生活基盤

安全・安心で環境にやさしいまち

1 防災・減災

 災害時の情報伝達体制の強化、情報伝達方法の多重化を図るため、令和5年2月から「かも防災・行政ナビ」の運用を開始しました。スマートフォンアプリとタブレット型戸別受信機に、防災情報や行政情報をリアルタイムでお届けします。

 令和4年12月に防災専門員を採用し、地域防災力の向上のため、かも防災出前講座を実施しています。市民の防災意識の啓発を図るとともに、自主防災組織の結成を促進します。

 また、30年ぶりとなる加茂市総合防災訓練を令和5年9月24日に実施します。関係機関との連携を確認し、地域の防災意識のより一層の高揚を図ります。

2 消防・救急

 消防本部車両の老朽化が進んでいるため、緊急防災・減災事業債を活用し、水槽付ポンプ自動車1台、過疎対策事業債を活用し、指令車1台を更新します。

 消防団車両についても、緊急防災・減災事業債を活用し、小型動力ポンプ付積載車3台を更新します。

 また、消防団設備整備費補助金を活用し、災害対応に必要な編上げ安全靴、救命胴衣等個人装備の配備を進めます。

 消防本部庁舎については、昭和54年の建築から43年が経過し老朽化が著しいため、移転・建て替えを視野に入れた検討を進めます。

3 防犯・交通安全

 市民の安全・安心な消費生活を確保するため、引き続き消費生活相談窓口を開設するとともに、新潟県消費生活センターと連携し、相談体制を維持します。また、契約トラブルや多重債務に関する弁護士相談会の開催、消費者被害の未然防止のための啓発活動などに引き続き取り組みます。

4 生活環境

 老朽化が進んでいる加茂市・田上町清掃センターについて、加茂市・田上町消防衛生保育組合では、ごみ処理施設の新設に向けて、環境課内に建設準備室を設置し、令和5年度中に建設予定地を決定する予定です。新しいごみ処理施設の建設については、令和13年度の稼働を目指します。

 新しい施設の完成までは現在の施設を修繕し、稼働し続けなければなりません。焼却炉への負荷を低減させるためにも、ごみの減量化・再資源化に積極的に取り組みます。

 令和5年度から、古紙類のステーション回収を実施します。各地区2か月に1回ごみステーションで収集し、回収した古紙類は資源としてリサイクルします。

 令和4年度に実施した株式会社メルカリとの連携によるリユース推進事業を引き続き実施します。また、昨年初めて実施して好評を得たフリーマーケット「カモフリマ」を引き続き開催し、循環型社会の実現に向けた意識の醸成を図ります。

 今後の加茂市の環境施策を総合的かつ計画的に推進するため、「環境基本計画」の策定に取り組みます。

 また、脱炭素社会の実現に向けたまちづくりを実践していくため、地球温暖化対策実行計画を策定するための調査を開始します。

 市民、事業者、行政が一体となって、加茂市の環境施策について共に考え、その取組を着実に進めるため「加茂市環境会議」の設立を進めます。

5 住環境

 空き家・空き地に関する施策の方針を定めるため、令和4年度に実施した市内空家実態調査を基礎資料として「空家等対策計画」を策定するほか、計画の作成や変更、実施について協議するための協議会を設置します。

 地域外の人材を積極的に誘致し、地域力の維持・強化を図る取組である地域おこし協力隊は、令和4年度末までに2名の方を委嘱しています。地域協力活動に従事してもらいながら、加茂市への定住・定着を図ります。今後も、地域おこし協力隊を増やし、地域の問題解決・活性化に取り組みます。

 移住促進については、令和5年3月に移住ポータルサイトを立ち上げ、加茂市の魅力や支援制度などの情報発信に努め、より一層の相談体制の充実を図ります。

 東京圏からの移住者に対して補助金を支給する移住・就業支援事業を引き続き行います。令和5年度は、18歳未満の子どもと一緒に世帯で移住する場合、18歳未満の子ども一人につき100万円を加算し、子育て世代の移住・定住を支援します。

6 道路・公共交通

 道路整備については、下条矢立境線の歩道改良工事、舞台八幡線、大皆川線、九軒小路線、中村小橋線の道路改良工事を行います。また、下条矢立境線、下大谷線1号、陣ケ峰八幡新田線3号、城ノ腰線の舗装工事を行い、安全・安心な道路交通を確保します。

 道路除雪の状況を情報発信し市民サービスの向上を図るため、「除雪集計システム」を導入します。除雪機械65台にGPS装置を取り付け、除雪機械の位置情報をWeb上で公開することで、市民の皆さまに除雪の進捗状況をリアルタイムで発信します。これにより、除雪機械の稼働時間の管理が容易になり、効率的な除雪業務が可能となります。

 市民バスについては、「かもんバス」「かもんタクシー」に再編し、「おでかもちゃん」をマスコットキャラクターとして、本格運行を開始しています。今後も利便性が高く持続可能な公共交通とするため、地域公共交通活性化再生法にもとづく協議会を組織し、令和5年度中に「地域公共交通計画」を策定します。

7 水道水の供給

 水道事業については、給水人口、使用水量等の減少による給水収益の減少や、施設の老朽化による維持費、更新費用などの増加により経営状況は厳しくなっています。改善のため、料金改定や経費削減について検討し、収支均衡のとれた安定的な事業経営に努めるほか、水道料金の未収金回収についても引き続き収納率向上に努めます。

 より一層の有収率向上を図るため、引き続き給水管の漏水調査を実施し、漏水箇所の修繕と、栄町・上条地内で漏水の恐れのある老朽管の布設替えを行います。

8 汚水処理の推進

 下水道事業については、経営状況の明確化を図るため、令和6年4月からの公営企業会計への移行に向け、システム導入及び下水道台帳の電子化作業を実施し、経営基盤の強化と施設の適正な管理を図ります。

 集合汚水処理の下水道整備計画区域を見直し、個別汚水処理の合併処理浄化槽設置事業と併せて、汚水処理の効率化を図ります。

 長期的な視点で浄化センターの施設の維持管理や改築を一体的に捉えて、計画的・効率的に管理することを目的に、ストックマネジメント計画を令和5年度に策定し、持続可能な下水道事業の実現を目指します。

基本目標4 芸術・文化、スポーツ、自治・人権

学び、集い、ふれあって、自分らしく活動できるまち

1 生涯学習

 図書館では、令和5年3月に策定した「加茂市子ども読書活動推進計画」の理念を踏まえ、ブックトークやお話会の開催、ニーズに応じた図書の提供などを通じて学校や保育園との連携を進めます。また、近年では寄附により絵本をはじめとする児童書や大型絵本の蔵書も増えています。こうした魅力を発信し、更なる利用拡大に努めます。

 公民館では、「市民大学講座」「シニア教室」などの各種事業及び各分館事業を実施し、幅広い世代と地域に学びの場を提供します。

 民俗資料館では、各種講座や特別歴史講演会、学校の授業への協力など、子どもから大人まで学べる事業を行い、まちの歴史を知る機会を創出します。

2 芸術文化・文化財

 加茂文化会館については、大ホール客席天井の耐震化改修工事が令和5年5月に完了し、同24日から大ホールの利用を再開する予定です。客席数は1,082席から約900席に減りますが、通路の拡幅により移動の安全性を向上させるほか、以前に比べ足元のゆったりとした座席で快適に観覧できるようになります。

 また、令和5年度から指定管理者による管理運営へ移行します。これにより、民間の活力を活かしたイベントの企画運営、情報発信や文化芸術の拠点としてサービスの向上を図ります。

 文化財保護事業については、蓄積された資料や情報を市民共有の財産として位置付け、広報紙やホームページで紹介するほか、加茂文化会館内の良寛展示室で定期的に公開し、文化財の魅力を発信します。

 加茂の伝統工芸品である加茂紙が、令和5年1月に「新潟県伝統工芸品」に認定されました。これを機に、加茂紙が重要な伝統文化産業であることを、市内外に向けより一層PRしていきます。

 また、加茂紙を活用した交流人口拡大のため、これまで8月を休館としていた加茂紙漉場を通年で開館し、紙漉き体験の回数や内容を充実させることで、伝統文化の普及・保存に努めます。

3 スポーツ

 スポーツ振興については、子どもから高齢者まで健康と運動を結び付け、誰もが参加し楽しむことができるモルックなどのニュースポーツ体験会を実施します。

 また、スポーツ関係団体や民間事業者等と連携しながら、子どもたちのスキルアップ講習会やスポーツ指導者の育成事業などを開催し、競技力の向上にも力を入れていきます。

 スポーツ施設の整備については、老朽化した施設の改修等を計画的に進めます。令和5年度は、七谷野球場のバックネットの改修を行い、利用者の安全性の確保に努めます。

4 市民協働・地域コミュニティ

 快適なまちづくりのため、市民と行政が協働でまちの美化、環境整備活動を推進する環境美化プログラム「かも美化サポーター」の参加団体を引き続き募集します。お互いの役割分担を定めたパートナーシップのもとで、新たな環境美化活動を推進します。

5 人権・多文化共生

 国際交流については、子どもたちの教育交流の再開を目指して、英語圏の新たな交流先を探します。

 男女共同参画の推進については、令和5年2月に策定した「加茂市男女共同参画推進計画」の理念を踏まえ、意識啓発セミナーの実施や相談窓口の充実を推進します。

 人権啓発については、令和5年度に人権教育・啓発推進計画策定委員会を立ち上げ、市民意識調査を行い「人権教育啓発推進計画」の令和7年度策定を目指します。

 また、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の導入に向け検討を行います。

基本目標5 都市の魅力創造、産業・雇用

人が集い、賑わいと活力があふれ、稼ぐ力と雇用を生み出すまち

1 魅力あるまちづくり

 加茂市に住む、関わる全ての人々が主役となって、主体的に活躍できるまちを目指します。

 中心市街地とその周辺エリアの賑わいづくりに向けては、公民が連携して活動するためのエリアプラットフォームや、実現すべき具体的なまちの姿を示す未来ビジョンを構築していきます。そして、その取組を通して、加茂市全体の魅力や価値の向上を図ります。

 雪椿まつりについては、内容を見直し、雪椿園のライトアップや加茂暁星高等学校によるプロジェクションマッピングなど、昼も夜も楽しめるイベントを企画します。事業者、学校、各種団体が共に創り上げる市民総参加の祭りとして盛大に開催します。

 また、加茂川を泳ぐ鯉のぼりなど、魅力あるイベントへの支援を引き続き行います。こうしたイベントを通じて、加茂市を訪れた方が、加茂市のファンになり、再び訪れたくなるような取組を進めます。

 「加茂七谷温泉 美人の湯」では、企業版ふるさと納税制度を活用し、敷地内でバーベキューやサウナを楽しめるようなデイキャンプスペースを整備するなど、引き続き指定管理者と連携し、同施設並びに周辺地域の魅力の向上、発信に取り組みます。

 「加茂市総合計画」にもとづき、これからのまちづくりの理念や都市計画の目標、全体構想、地域別構想を定める「加茂市都市計画マスタープラン」を令和5年度から2か年で策定します。併せて、都市計画基本図・都市計画基礎調査のデータを更新するとともに、新たに3D都市モデルを構築し、都市計画行政の立案等に活用します。

2 商工業の振興

 燃料費高騰などにより経済活動が停滞しないよう、中小企業者に対する金融支援や販路開拓支援をはじめ、加茂商工会議所や市内事業協同組合等が行う取組に対し、市としてできる限りの支援を行います。

 令和2年度より、創業、成長企業への支援の充実に重点を移してきました。令和5年度はこの取組をさらに加速させるため、創業者が登録免許税軽減、日本政策金融公庫の融資制度での優遇等、更なる支援を受けることができるよう、産業競争力強化法にもとづく「創業支援等事業計画」の策定に着手します。

 新商品・新製品開発支援事業補助金により、付加価値の高い商品開発を支援し、引き続き中小企業者の販路拡大を支援します。

 市内事業者の地域特産品をふるさと加茂応援寄附金、いわゆるふるさと納税の返礼品として採用することで、全国への販路開拓を図ります。

 また、株式会社新潟三越伊勢丹及び新潟大学との産官学連携により、地域特産品の磨き上げや新たな価値の創出、地域資源の利活用を通じて、ふるさと納税をきっかけとした地域産業の振興を目指します。

 さらに、事業者や各種団体との連携を通じた返礼品の開発や体験型の商品など、ポストコロナにおいて選ばれる魅力的な品揃えに力を入れて取り組みます。

3 中心市街地の活性化

 中心市街地の活性化を目的に、「空き店舗対策事業」を継続して実施します。商店街等の協力を得て空き店舗の状況を把握し、新規出店者に対して店舗の改修費用や家賃を補助することで、空き店舗の解消に努めます。

 加茂駅周辺の賑わいの創出と高校生や大学生、買い物客など駅周辺に来られた方の居場所として、ショッピングパークメリア3階に設置した、仮称「MACHINAKA BASE(まちなかベース)」を引き続き開設します。

4 農林水産業の振興

JAえちご中越、農業委員会等関係機関と連携し、地域の未来図である「地域計画」の策定に向け取り組みます。これを核に、農地中間管理事業を活用して農業の担い手への農地集積・集約化を促進し、農業の生産性向上を図ります。

 農林県単事業を活用し、農業用機械や設備を導入する団体等に対して補助することで、省コスト化と所得向上を推進します。

 鳥獣被害防止対策交付金を活用し、電気柵設置補助を行う「加茂市鳥獣被害防止対策協議会」へ運営費を補助します。

 また、新潟県猟友会が建設する大口径ライフル射撃場の整備費の一部を負担することで、有害鳥獣捕獲の担い手育成と技能向上を支援します。

 令和4年度にデジタル田園都市国家構想推進交付金を活用して導入した有害鳥獣捕獲罠遠隔監視システムを活用し、クマ、イノシシ、ニホンジカなど有害鳥獣の捕獲の省力化や安全対策の向上に努めます。

 林道施設の長寿命化を図るため、「加茂市林道施設長寿命化計画」にもとづき、林道麻布谷黒水線住岡橋の修繕を行います。

基本目標6 行政活動

社会の変化に対応し、市民に寄り添い、未来への責任を担うまち

1 財政運営

 安全性を確保しながら、人口規模や利用状況に見合った公共施設を整備・運営することが財政負担の抑制にもつながります。

 公共施設の再編については、これまで検討・策定してきた方針や計画等を踏まえつつ、持続可能かつ希望が持てる未来を市民の皆さまに提示するため、令和5年度から6年度にかけて、各施設における利用者の属性情報や類似施設間の併用状況など、客観的なデータにもとづく需給状況を明らかにし、必要性や優先度が高い新規施設の整備も含め、公共施設保有量の適正化に向けた長期に渡るアクションプランを策定します。

 令和5年4月から全国の自治体で地方税の納付方法が拡充され、納税者の利便性が向上し、税収入の一層の確保につながることが期待されます。新たに市税の納付書に印刷される「地方税統一QRコード」により、地方税共同機構が提供する「地方税お支払サイト」からクレジットカードでの納付や、スマートフォン決済アプリでの納付ができるようになるものです。現金納付の場合は、全国の同二次元コード対応金融機関での納付が可能となります。

2 行政運営

 市民の皆さまの利便性向上と行政サービスの効率化を実現する、行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進します。

 デジタル社会のパスポートとも称されるマイナンバーカードは、身分証や健康保険証として利用できるほか、各種公的書類や手続のオンライン申請、各種民間のオンライン取引など、コスト・時間・労力を減らし、暮らしを便利にするツールです。現在、加茂市では60%を超える市民が取得しています。今後は、施設に入所している方など、申請が困難な方を中心にサポートを行います。

 新潟県と12市町が共同で行う「電子申請システム」に加茂市も参加します。これは、市役所に来庁することなく、インターネットを利用して、パソコンやスマートフォンで簡単に届出や申請などの各種行政手続ができるようになる制度で、加茂市では令和5年10月に開始します。

 市議会にタブレット端末を導入します。これまで紙で配付されてきた議案などをタブレット端末にデータで配付することで、紙や印刷にかかるコストの削減と効率的な議会運営を図ります。

 市役所庁舎内に職員用Wi-Fiを整備し、庁内事務のデジタル化やペーパーレス推進、職場環境の改善につなげます。

 市長定例記者会見は、令和4年4月から手話による同時通訳を行っています。会見の様子はYouTubeの加茂市公式チャンネルでも動画配信し、情報発信を積極的に行います。

 また、広報紙やホームページへの有料広告掲載をPRし、税外収入の一層の確保に努めます。

4 結び

 以上、令和5年度の市政運営の基本方針並びに主要事業について、ご説明いたしました。

 新型コロナウイルス感染症との共存、不安定な国際情勢、経済情勢など、私たちの暮らしにも多大な影響を及ぼす国際社会の安定と平和を、まずもって心から願わずにはいられません。

 また、冒頭でも述べましたが、自治体が存続する上で様々な問題の要因となる人口減少に加茂市は直面しています。それも、過去に例をみない速度と深刻度です。加茂山や加茂川、水源地などの美しい自然と歴史を擁し、伝統産業や農業、商店街が栄えるまち加茂市が、ずっと持続可能なまちでいるためには、従来どおりでは不十分で、戦略的なチャレンジが必要だと考えます。

 加茂市は、豊かな環境資源、産業を支える技術と伝統、そして、優れたアイデアと加茂市への熱い想いを持った‘人’という多くの宝に恵まれています。令和5年度の予算編成でお示しした重点実施事項に沿った各分野の事業を着実に推進することで、それぞれの分野で加茂市らしさを際立たせ、さらに新しい加茂市の可能性を育てていきます。

 令和元年度から市政を預かり、従来とは違った方針・施策で市政を進めてまいりました。あれから4年が経過し、加茂市が新しく変化していることを実感してくださっている市民の方のお声も頂戴しています。変化に戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は誰一人取り残さず寄り添い、一人ひとりと向き合ってまいります。時代や社会の大きな変化の渦中にある今、変化をチャンスと捉え、理想と現実のギャップは解決すれば叶う課題、‘伸びしろ’と捉えて前に進んでいく覚悟です。全ては未来の子どもたちのため、そして、今と未来の加茂市民のために。

 結びに、市民の皆さま並びに市議会議員の皆さまにおかれましては、総合計画に掲げる「笑顔あふれるまち 加茂」の実現のため、課題解決を先送りせず変化し、チャレンジを試みる加茂市政に対しまして、引き続き、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 市民の皆さまの想いをしっかり聞きながら、市民サービスの一層の向上、ひいては皆さまの笑顔のために、引き続き、職員と一丸となって取り組んでいくことをお約束いたし、令和5年度の施政方針といたします。

令和5年度施政方針 (PDF 881KB)

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