受動喫煙対策
受動喫煙と健康への影響
受動喫煙とは、人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることです。
たばこの煙の中には、ニコチン、一酸化炭素、各種発がん物質など 4,000種類以上の有害物質が含まれています。
受動喫煙による肺がんのリスクは 1.28 倍、虚血性心疾患のリスクは 1.3倍、脳卒中のリスクは1.24倍と報告されています。
また、受動喫煙は子どもの呼吸器疾患や中耳炎、乳幼児突然死症候群を引き起こすことが指摘されています。
妊娠中の喫煙や受動喫煙により、低体重児や早産のリスクが上昇することもわかっています。
受動喫煙との関係が「確実」と判定された肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)の4疾患 で、
国内で年間1万5千人が死亡しており、健康への影響は深刻です。
「健康増進法の一部を改正する法律(2018年7月)」について
2018年7月、健康増進法の一部を改正する法律が成立しました。このことで、望まない受動喫煙を防止するための取り組みは、マナーからルールへと変わります。
1.受動喫煙防止の基本的考え方
- 「望まない受動喫煙」をなくしましょう。
- 受動喫煙による健康影響が大きい子どもや、患者などには、特に配慮しましょう。
- 施設の類型・場所ごとに、対策を実施することが必要になります。
2.主なポイント
- 多くの施設において、屋内が原則禁煙になります。
- 20歳未満の方は、喫煙エリアへ立入禁止です。
- 屋内での喫煙には、喫煙室の設置が必要になります。
- 喫煙室には、標識掲示が義務付けられます。
参考:ホームページ「なくそう!望まない受動喫煙(厚生労働省)」
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/
家庭でできる具体的な対策(例)~
たばこは、室内で吸わないようにし、屋外で吸う(喫煙禁止場所以外)ようにしてください。
子どもの事故防止のため、居間・台所・コタツの上などに、たばこや灰皿を置かないことも重要です。
たばこと健康
\県民みんなのキャッチフレーズ/「たばこのない一服もある。」
喫煙による健康リスク
喫煙はがん、循環器疾患(脳卒中、心疾患等)、糖尿病、慢性呼吸器疾患(COPD等)の4つの疾病のすべての危険因子です。
2016年の厚生労働省の検討会報告書によると、喫煙との関連が「確実」と判定された病気として、がんでは肺がんをはじめ、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、胃がん、すい臓がん、子宮頸がんなどが報告されています。
がん以外の病気としては、脳卒中、虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、2型糖尿病、歯周病などがあります。
そのほか、喫煙との関連が「可能性あり」と判定された病気には、大腸がん、乳がん、認知症、気管支喘息、関節リウマチ、閉経後の骨密度低下、大腿骨近位部骨折、日常生活動作の低下、結核などがあります。
参考:「禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版」厚生労働省健康局健康課編
禁煙の方法
大きく分けて2種類あります。自分にあった方法を選んでみましょう。
- 医療機関で禁煙治療を受ける方法
- 薬局・薬店でニコチンパッチやニコチンガムを使ってやめる方法
禁煙外来や禁煙支援については、こちらをご覧ください。
参考:ホームページ「健康にいがた21(新潟県福祉保健部健康づくり支援課)」
(https://www.kenko-niigata.com/tobacco/index.html)
世界禁煙デー(5月31日)
世界保健機関(WHO)は、昭和45年にたばこ対策に関する初めての世界保健総会決議を行い、平成元年には5月31日を「世界禁煙デー」と定め、喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指した「たばこか健康かに関する活動計画」を開始しました。
参考:ホームページ「厚生労働省(健康・医療)たばこと健康に関する情報ページ」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/tobacco/index.html)