災害時に「誰も取り残さない」ために
平成28年8月、台風10号による豪雨災害では、岩手県の各地で河川増水などの被害がみられ、多くの方に避難が必要になりました。岩泉町の小本川が氾濫し、高齢者利用施設の利用者9名が命を落とす痛ましい被害も発生しました。岩手県によると、この豪雨災害による死者・行方不明者は、関連死を含めて25人とのことでした。このような事態を受け、平成29年6月には、避難体制の強化を図るために水防法・土砂災害防止法などの法律が改正されました。
市民の皆さまへ
日頃から災害が起こったときのことについて、ご家庭や職場などで話し合ってみましょう。
そのとき、身近にいる手助けが必要な方の避難についても、ぜひ考えてみてください。
公共施設や民間事業所などの管理者さまへ
施設や業務に関係する法律等で、避難計画作成や避難訓練実施について定められているかご確認ください。
その際、従業員や利用者などが実際に避難可能かどうかについても、今一度ご検討ください。
「要配慮者」と「要配慮者利用施設」
ご自宅や施設から避難をする際、高齢者・障がい者・乳幼児など手助けが必要になる方がいます。
法律では、そのような方を「要配慮者」、利用する施設を「要配慮者利用施設」と呼んでいます。
要配慮者
高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(災害基本法[昭和36年法律第223号]第8条)。
要配慮者利用施設
社会福祉施設、学校、医療施設、その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設(水防法[昭和24年法律第193号]第15条)。
市内における「要配慮者利用施設一覧」はこちら → 要配慮者利用施設一覧表(加茂市)2024.12 (PDF 141KB)
※ 「要配慮者利用施設一覧表」には、浸水想定区域及び土砂災害警戒区域内にある施設に「○」印が付いています。
要配慮者利用施設における管理者の義務
要配慮者利用施設の避難体制の強化を図るため、「水防法」及び「土砂災害防止法」が平成29年6月と令和3年5月に改正され、浸水想定区域及び土砂災害警戒区域内に位置し、加茂市地域防災計画にその名称及び所在地が定められた要配慮者利用施設の管理者等に次の事項が義務付けられました。
対象施設
要配慮者利用施設のうち、ハザードマップの危険区域(※)に該当する施設。
ハザードマップの危険区域(※)
加茂市のハザードマップ → こちらをクリック(関連記事のリンク)
「浸水想定区域」
河川が氾濫した場合に施設が浸水する区域。なお、「要配慮者利用施設一覧表」は、信濃川・加茂川・下条川・大正川のいずれかが氾濫した場合の想定最大規模 (L2想定) を表示している。
「家屋倒壊等氾濫想定区域」
- 「氾濫流」 : 激しい洪水の流れにより、木造家屋が倒壊するおそれのある区域 (木造家屋にお住まいの方は立ち退き避難)。
- 「河川浸食」: 洪水の際に河岸が削り取られて、家屋が倒壊するおそれのある区域 (家族の構造に関わらず全ての方が立ち退き避難)。
「土砂災害警戒区域」
土砂災害のおそれがある区域 (「土砂災害特別警戒区域」は、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがある区域)。
管理者の義務
施設利用者の豪雨時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の作成と避難訓練の実施に取り組んでいただきますようお願いいたします。
「避難確保計画の作成と報告」
- 避難確保計画の作成
- 避難確保計画作成(変更)の市長(総務課防災係)への報告
「避難訓練の実施と報告」
- 避難訓練の実施
- 避難訓練結果の市長(総務課防災係)への報告
避難確保計画
「避難確保計画」は、水害や土砂災害が発生するおそれがある場合における、利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な防災体制や訓練などに関する次の事項を定めた計画です。
避難確保計画作成の手引き 解説編(国土交通省) (PDF 5.21MB)
新規作成について
- 防災体制に関する事項
- 利用者の避難の誘導に関する事項
- 避難の確保を図るための施設の整備に関する事項
- 防災教育及び訓練に関する事項
- その他、円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な措置に関する事項
- 自衛水防組織の業務に関する事項(水防法に基づき自衛水防組織を置く場合に限る)
要配慮者利用施設の所有者または管理者の方は、避難確保計画作成報告書、避難確保計画チェックリスト、避難確保計画の雛形をダウンロードして作成し、総務課防災係へご提出ください。なお、すでに作成してある避難計画(マニュアル等)において、上記事項を定めていただくことで、避難確保計画の作成とみなすこともできます。
内容の変更について
要配慮者利用施設の所有者または管理者の方は、避難確保計画の内容を変更しましたら、避難確保計画変更報告書、避難確保計画チェックリストをダウンロードして必要事項を記入のうえ、内容を変更した避難確保計画を添付し、総務課防災係へご提出ください。
避難訓練
実施について
要配慮者利用施設の所有者または管理者の方は、避難訓練を年1回以上、出水期前を中心に実施してください。
また、訓練と併せて次の項目について職員研修の実施をお願いいたします。
- 洪水や土砂災害の危険性について
- 情報収集の方法及び伝達体制について
- 避難の判断及び避難の誘導方法について
- 避難確保計画の周知について
結果の報告について
要配慮者利用施設の所有者または管理者の方は、避難訓練を実施しましたら、次の「避難確保計画に基づく訓練実施結果報告書」をダウンロードして必要事項を記入のうえ、総務課防災係へご提出ください。
参考資料
信濃川
加茂川
下条川