有形民俗文化財
名称
灌漑用具(てっぽう・だいろ・じゃ車、計3点) (かんがいようぐ)
所有者
加茂市教育委員会
指定年月日
昭和50年1月12日
年代
明治中期~昭和初期
稲作には水が不可欠である。越後平野は田の面より低い所を河水が流れているので、田に水を注ぐには汲み上げる道具が必要である。
民俗資料館に展示されている3点は水揚げ用具で時代とともに工夫されている。
夏の日照りが続くと水揚げは田の中のあちこちで見られた。
四角の細長い箱形のもの(上)は最初に使われたもので、「てっぽう」または「ごい」といって、ポンプの作用で水を汲み上げるものである。
円い筒型(中)は、「だいろ」または、「蛇腹」といって、これを廻すと水が上がってくるもので佐渡の金山の水替え用に使用していたものが田の水用に利用されたと言われている。筒をまわすと中に螺旋形の羽が上方に向かってついているものである。大正の終わりから昭和の初めになると足踏みによる、通称「蛇車」(下)と呼ぶ水車式のものが使用された。これは踏車または水車と呼んでいるもので、排水機場や機会による水揚げ場ができるまで使われていた。
名称
漢方薬製薬器具(1式) (かんぽうやくせいやくきぐ)
所有者
加茂市教育委員会
指定年月日
昭和50年1月12日
年代
江戸末期~明治初期
民俗資料館に漢方薬調剤用具が展示されている。
製薬用具には、両手切り、片手切り、薬研、石臼、ほうろく、ふるい、乳鉢、調剤用具には、はかり、収納用具に熊の肝入れ、百目だんすがある。
名称
手加工時代の建具製造工具(130点) (てかこうじだいのたてぐせいぞうこうぐ)
所有者
加茂市教育委員会
指定年月日
昭和53年12月12日
年代
明治末期~昭和初期
農家の余剰労働力を活用して、戸、障子、ふすま、箱類を製造していたものが、江戸時代末期頃から専業となり建具業と箱、箪笥製造に分かれた。
民俗資料館に展示されている工具は主に建具関係のものである。鉋類12点、しゃくり(さぐりともいう)類は5点、けひき(けしきともいう)5点、定規類、墨つぼ類、槌類、工具修理用具、締付用具など計130点余が集められてある。