鹿児島県出身。銀行や投資会社に勤務し、東京、大阪をはじめ九州、東北等全国を転々とする転勤族だった。ある部署で新規事業開発に携わる中で、農業法人の設立、ハンズオンによる経営支援を経験したことで起業への想いが募り、2022年秋に新潟県加茂市に移住。
「株式会社CFT」を設立し、財務・会計や資金調達、労務管理など幅広く経営管理サポートを行っている。妻と子どもと愛犬との3人1匹暮らし。

移住したきっかけは？

移住する前の約2年間は、鹿児島の農業法人で経営管理を担っていましたが、株主の経営方針が大きく変わり、会社存続が出来なくなってしまいました。しかし農業分野や地方企業には多くの課題があると身をもって感じており、企業に属していることで出来ないならば自分で会社を作って解決しようと思ったのがきっかけです。これまでの経験からまずは“農業”と“経営管理”の知見が活かせる場所が移住候補地でした。農業ICTの活用や企業的経営等、次世代型農業の実現に力を入れている新潟県や北海道、長野県などが候補としてありましたが、何十年と腰を据えて仕事をするのにどこがいいのか考えた結果、新潟県に移住することにしました。

移住先に加茂市を選んだ決め手は？

妻と子どもにはのびのび暮らしてもらいたかったので、新潟県の都市部ではなくちょっと郊外に住みたいと考えていました。候補地探しの時にまず県央地域を車で周ったのですが、そこで見た加茂の風景がとても素晴らしく「良いな」と思うようになりました。こればかりは直観的な部分なので言語化が難しいのですが、特に加茂川沿いで見た風景に惚れ込みました。私が育った故郷も市内に川が流れていて、幼少期の記憶と重なってここなら落ち着いて仕事も子育てもできると感じたのが大きかったです。さらに、そのあと相談した市役所の方が、移住を決める前だったのにすごく親身になって相談に乗ってくれて、子どもが通うようになる小学校の教頭先生まで紹介してくれました（笑）。移住後、鹿児島育ちのはずの妻が、「ここが前から実家だったみたいな感じがする」なんて冗談を言う程加茂に馴染んでおり、ここでの暮らしを心から気に入ってくれているので、改めて加茂市を選んで良かったです。

加茂での子育てはいかがですか？

ずっと転勤族でマンション住まいだったので、子どももなかなか友達を家に呼んで遊べないし、庭で身体いっぱい動かして遊べなかったので、加茂では家の中でも外でも楽しそうに遊んでいます。あと様々な面で助かったのはスクールバスの存在ですね。通学に安心感があるのはもちろん、家の方向が一緒の子と話す機会が増えるので、そこで仲良くなっていきました。学校から帰ってきたらその子たちと遊びに行ったりしています。途中で転校してきた子どもにとってもその機会は有難かったし、すぐに学校になじんでくれたので親としても安心できました。
いま通っている小学校は1クラス20人なので、個人的にはちょうどいい人数だと思っています。先生が一人一人の児童に目を配ってくれているのは授業参観などですごく感じます。

どんな会社を起業したのですか？

会社の業務としては、食や農に関連する事業者の他、様々な業種の中小企業、スタートアップ企業の経営管理を、経営者の視点でサポートするのが主です。例えば農家さんは、現場でこだわりを持って美味しいものを作りたいという想いのある方は多いですが、その裏にある原価管理やコスト分析などの数字面の情報整理、把握に割ける時間が少なく、貴重な経営データを上手く活用出来ていないことがあります。そこは地域農業の発展や持続的な経営に関する課題の一つだと感じていて、農家さんにとって負担が大きい部分の一部を私が担い、サポートすることで、農家さんは美味しい作物を作ること、地域農業を担っていくことに専念してもらえると考えています。

これからの夢や目標を教えてください

今はありがたいことに新潟県内外からお仕事をいただいておりますが、やはり地元である加茂市の事業者や自治体と一緒に仕事がしたいなと思っています。地元をより良くしたい、地域や社会の課題をクリアしたいという想いを持つ方とタッグを組んで、加茂市から全国、世界に向けてPR出来る何かをやってみたいなという夢がありますし実現したいと思っています。

加茂市への移住を考えている方に向けてメッセージをお願いします

子どもはのびのびと楽しそうに遊んでいますし、生活に必要なものは市内で揃うので、子育て世代にはオススメの環境です。
私のようなミドル世代には、山や川、田園風景などふとした瞬間にも心が休まり落ち着ける環境があるのはポイントですね。春夏秋冬、日本の四季をちゃんと感じられるので、四季折々の風景や旬の食べ物を楽しんでいます。仕事もプライベートも落ち着いて過ごせますよ。