友さんは東京都出身、真美さんは神奈川県出身。それぞれ会社員だった2人が東京都で知り合って結婚。「カフェを開店したい」という妻の夢を受け入れ、夫婦の夢としてかなえるために物件を探し、ようやくたどり着いたのが加茂市。JR加茂駅から歩いて5分ほどの距離にある加茂穀町商店街で、2019年10月17日から「cafe sugar」を営む。穀町地区で夫婦、子供、ウサギ1羽暮らし。

加茂市へ移住したきっかけは？

（友さん）　「都会のにぎやかさや忙しさから離れたい」と感じていた一方で、「移住先がものすごく不便なのも嫌だな」という思いもありました。妻から「カフェを開きたい」という夢を聞かされたのは、結婚してしばらく経った頃。共に会社勤めで生活が安定していたため、私は当初、カフェ開業には消極的でした。しばらくは妻に思いとどまるよう説得していましたが、ある日「自分はなぜ妻の夢を反対しているんだろう。応援すべきなのでは」と考えを改め、私が抱いていた移住への思いと、妻の「カフェ開店」を重ね合わせ、2人の夢として描き直しました。私が求めるのは自然豊かなエリアと、人が住むエリアのバランスが取れた住環境、妻が求めるのはカフェを営める店舗兼住宅。この二つの条件で加茂市にたどり着きました。

移住先選びは大変でしたか？

（友さん）　希望する条件を明確に決め、物件サイトや各自治体の移住サイトなどを見て探しました。良さそうなものを見つけては、実際に足を運んで見学しました。なかなか条件に合う物件を見つけることができなくて苦労しました。それだけに現在の加茂市の店舗兼住宅に決めたときは、うれしくて見学した日に契約してしまいました（笑）

余談ですが、それまで新潟県はスキーやスノーボードに来る場所と思っていましたが、加茂市に来てみたら意外に「ザ・雪国」ではなかったです（笑）

カフェへの思いやこだわり、おすすめメニューを教えてください

（友さん）店名は、飼っているウサギの名前から取りました。「ゆったり、落ち着いた雰囲気で、街の人がちょっと休憩できる場所にしたい」という思いから、アースカラーで店内をまとめています。メニューは基本的に手作りで、コーヒーは注文後に豆をひいてから入れています。おすすめは、チーズケーキ（男性一番人気）、プリン、お食事メニューのカレー、季節限定ケーキです。地元の高校生とのコラボメニューを期間限定メニューとして提供しています。県立加茂農林高校の生徒が育てたリンゴを使ったケーキや、ブドウを使ったかき氷は人気があります。

加茂市の魅力を教えてください

（友さん）人が穏やかで、気軽に声を掛けてくれます。人とのつながりや、やさしさを実感できます。ご近所さんに親しくしてもらっていて、子供もよく声を掛けてもらっています。地域で子育てをしてくれる優しさのある街だと思います。妻が温泉好きで、近場にたくさんあるため、リフレッシュというより、趣味のように通っていた時期もありました。程よく便利で、程よいスローライフを送れるすてきな場所だと思います。

これからの夢や目標を教えください

（友さん）加茂の人たちが、縁もゆかりもない自分たちを受け入れてくれました。「その恩返しではないですが、将来、グルメ系のイベントに加茂市代表として、出店できればいいな」と思っています。加茂市をいろんな人に知ってもらうため、きっかけづくりのお手伝いをしたいと思っています。

加茂市への移住を考えている方に向けてメッセージをお願いします

（友さん）自分の生活、性格に合った場所、好きな街並み、心地よい他者との関係って人によって違うと思います。「都会が合わない、活躍できる場所じゃない」「自分のペースで生活できない」と思ったときに、「自分の場所」をみつけるのに移住は選択肢の一つと思っています。「移住」という別の視点を追加することで、視野を広げていただくと、生活が豊かになるのではと思います。

時折、お店に「移住について聞かせてほしい」という方もいらっしゃいます。加茂市においでの際は、気軽に声を掛けてください。